テーマパーク業界は右肩上がり?コロナ後の状況や今後の展望をプロが解説
テーマパーク科
東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン、富士急ハイランドなどが揃う日本のテーマパーク業界。さまざまなアトラクションやアミューズメントがそろい、訪れる人に喜びや感動を与えてくれることから、テーマパークで働きたいと思っている方も多いのではないでしょうか。「憧れの場所で働きたい」「人々を幸せにする仕事をしたい」などの思いをかなえることができるのがテーマパーク業界です。
本記事では、そんなテーマパーク業界の現状や今後について、テーマパーク業界で働いたことがあるプロが解説します。テーマパーク業界の展望や新型コロナウイルスの影響などについても詳しく説明していきますので、テーマパーク業界を志す人や興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
目次
テーマパーク業界とは
テーマパーク業界とは、お客さんが余暇を楽しむための施設や空間、サービスを提供するアミューズメント・レジャー業界のなかの1つの産業です。主に大型のテーマパークや遊園地などがテーマパーク業界に分類されます。東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの大型テーマパークは独自の世界観や特色が打ち出されており、その空間や雰囲気を楽しむために訪れるファンも多いでしょう。
テーマパーク業界の収益源としては、入場料やアトラクション・乗り物などの単体チケット、グッズ販売や飲食がメインとなっています。入場料が売り上げのおよそ5割を占めているので、入場者数によって大きく売り上げの増減が左右される業界であり、ファンやリピーターを獲得することが非常に重要です。
テーマパーク業界の現状
テーマパーク業界の現状について見ていきましょう。経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、テーマパーク業界の市場規模は新型コロナウイルスが流行した2020~22年を除いて、年々大きくなっています。2000年には2,985億円だった市場規模は年々上昇し、2019年には7,184億円にまで伸びました。年間入場者数においても、2000年には5,592万人でしたが、2015年には8,148万人を記録し、その後も2019年までは8,000万人前後で推移していました。
これらの状況を鑑みると、テーマパーク業界は右肩上がりに伸びている業界だといえるでしょう。
新型コロナウイルスの影響と今後の展望
2020年から新型コロナウイルスが世界的に流行し、一時は外出が制限され、「ステイホーム」が推奨される時期もありました。テーマパーク業界は多くの人が集まり楽しむ業態ですので、非常に甚大な影響を受けたといえるでしょう。
新型コロナウイルスの影響は数字にも大きく表れています。2019年に7,184億円だった市場規模は、2020年には2,638億円に急落。入場者数も2019年の7,946万人から2020年は3,138万人に減少しています。
しかし、その後は「ウィズコロナ」時代に突入し、市場規模・入場者数ともに徐々に回復。2021年(市場規模3,055億円、入場者数3,373万人)、2022年(市場規模6,000億円、入場者数5,766万人)と回復し、2023年には市場規模が8,424億円と過去最大となり、入場者数も7,244万人とコロナ前の水準に戻っています。
こういった傾向を見ても、新型コロナウイルスの影響は完全になくなり、テーマパーク業界はコロナ以前の右肩上がりの状態に戻ったといえるでしょう。
※経済産業省の特定サービス産業動態統計調査のデータをもとに作成
テーマパーク業界の動向
2023年6月には「ハリーポッター」をテーマにした施設「ワーナーブラザーススタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッター」が新設されたり、2024年3月には完全没入体験型のテーマパーク「イマーシブ・フォート東京」ができるなど、テーマパーク業界の勢いは止まりません。そんな中で、それぞれのテーマパークの動向はどのようになっているのでしょうか。主なテーマパークの業績などを見てみましょう。
東京ディズニーリゾート
東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランドは、2期連続の増収増益となっています。コロナ禍の2021年は売上高が前年比マイナス2,939億円となる1,705億円、営業利益もマイナス459億円となりましたが、2022年は売上高2,757億円、2023年は売上高4,831億円としており、営業利益も1,111億円と大きく伸ばしています。また、ディズニーランドとディズニーシーを合わせた入場者数についても、コロナ禍の2020年度は756万人にとどまっていましたが、2021年度は1,205万人、2022年度は2,209万人とコロナ以前に水準にあと一歩まで伸びてきています。
2023年10月にはチケットの値上げも行いましたが、それでも2024年3月期の売上高予想は約5,946億円になると発表され、その勢いはとどまるところを知りません。世界的にも多くのファンがおり、海外からの観光客などが増加していることも好調に起因しているといえるでしょう。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユニバーサルエンターテインメントも増収増益となっています。コロナ禍の2020年は売上が908億円、2021年は904億円となっていましたが、2022年は1,409億円と回復。入場者数も2022年については1,235万人と、単体のテーマパークとしては日本一の入場者数を記録しました。東京ディズニーリゾートに次ぐ日本第2位の規模のテーマパークとして、国内外で多くのファンに愛されているのがUSJです。
ナガシマリゾート
ナガシマスパーランドやなばなの里を含む「ナガシマリゾート」も人気の高いテーマパークです。2022年には売上が197億円、2021年の入場者数は1,062万人を記録するなど、東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに次ぐ日本最大級の規模のテーマパークとなっています。
テーマパーク業界に入るには
コロナ禍を切り抜け、また市場が大きくなってきているテーマパーク業界。消費者は「モノ」を欲するのではなく「体験」を欲する傾向にあるといわれており、テーマパーク業界には追い風が吹いているといえるでしょう。これから就職活動をする学生の方の中には、右肩上がりのテーマパーク業界で働きたいという方も多いのではないでしょうか。テーマパーク業界で働くために必要なポイントを紹介していきます。
コミュニケーション能力が重要
テーマパーク業界で働く場合、多くの人はテーマパークにやってきたお客さんと触れ合ったり、楽しませたりするような仕事を想像するのではないでしょうか。テーマパークの世界観に合わせて行動を取ったり、時にはアトラクションの一部としてエンターテイナーに徹するようなことが必要になります。
何が必要かをシチュエーションごとに瞬時に判断し、臨機応変に行動できる柔軟性、そして誰とでも会話ややり取りができる高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。
お客さんを楽しませるプロフェッショナル性
東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの大型テーマパークの場合、ほとんどのお客さんはそのテーマパークのファンであり、その世界観や雰囲気を楽しむために来場しています。大型テーマパークは、それまでの長い間に築いていた世界観やイメージ、ブランド力が大きな魅力となり、ファンに愛されています。そういった事情を理解し、お客さんを楽しませることにやりがいを感じられるか、テーマパークのコンセプトに沿って非日常空間を提供できるかどうかが重要になります。
自身がテーマパークの一部となり、お客さんの体験の一部となることをしっかりと理解し、プロフェッショナルとして働くことがテーマパークでは求められるのです。
テーマパーク業界のことを理解する
テーマパーク業界で働くためには、テーマパーク業界のことを理解しておく必要があります。例えば、東京ディズニーリゾートを運営している株式会社オリエンタルランドは、就活生にとって非常に人気の高い企業であり、新卒採用では正社員の総合職採用が40名程度とかなり狭き門となっています。例年、面接の倍率は数百倍となり、エントリーシート(書類選考)はそれ以上の倍率になるともいわれています。
そういった事情や採用までの流れをしっかりと理解すること、総合職採用では何ができるのか、技術職採用ではどんな仕事をするのかなどを調査してから応募へと進んでいきましょう。
テーマパーク業界への就職について必要なことはこちらの記事にまとめてありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
テーマパーク業界のプロに聞く!
ここまではテーマパーク業界の推移や今後の展望について紹介してきましたが、実際に業界のリアルを知るには内部の人に話を聞くのが一番です。
今回はテーマパーク科を持つ専門学校である国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校(ITHB)の先生やテーマパーク科で日々学んでいる生徒にインタビューを敢行。テーマパーク業界の仕事やその魅力について語ってもらいました。テーマパーク業界のリアルを知ることができる内容となっていますので、テーマパーク業界を志望している方はぜひ参考にしてみてください。
テーマパーク業界の魅力ややりがい
テーマパークの魅力、テーマパークで働くやりがいは、「同じ時間は二度とないこと」だと思います。同じアトラクションやパレードを体験したとしても、ゲストが誰と遊びにくるかによって前回体験したものとは絶対に同じ過ごし方にはならない。働く側の対応次第で、お客さまを楽しませる方法が無限に広がっていくところがテーマパークで働く魅力だと思います。
また、非日常空間で働くことができるので、常に楽しい気持ちで働くことができるのもテーマパークの魅力であり、テーマパークで働くことの面白さだと思います。働いている自分も楽しみながらお客さまも楽しませることができるのが嬉しいです。
(国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校テーマパーク科 石神先生)
テーマパーク業界の現状と今後
テーマパーク業界自体はコロナ禍を経て市場規模も拡大し、需要はどんどん大きくなってきています。業務の自動化や効率化という観点でいうと、テーマパーク業界でも人ではなく機械を使い効率化を図っている傾向はありますが、「人があってこその機械」「機械があってこその人」という考え方になってきていると思います。これから多くの新テーマパークがオープンする予定になっていますが、どこも「人の感情を揺さぶるようなテーマパーク」が多くなっています。テーマパークのことを理解し、コンセプトに沿った動きができる人材であれば今後も引く手あまたではないかと思います。
東京のお台場に「イマーシブ・フォート東京」というテーマパークができますが、これは体験型のテーマパークで、「海外の方が遊びに来る場所」というコンセプトで作られています。新型コロナウイルスの流行を経て、各地で流行病とともに生活できる環境が整い、それはテーマパーク内の環境も同じです。日本の観光主要都市に新たなテーマパークがオープンし、そのテーマパークの発展によってさらに観光業界も発展していくのではないかと思います。
(国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校テーマパーク科 長谷川先生)
ITHBのテーマパーク科の強みや学べること
大型テーマパークでアルバイトや正社員として働き、人事も担当したことがある先生や、アトラクションの時間帯責任者を経験した先生が揃っており、テーマパーク業界の実態から最新の事情まで、さまざまなことについて教えてくれます。通常の授業から就職活動まで一貫してサポートしてくださることもとても心強いです。
また、テーマパーク科だからといってテーマパーク業界のことだけを学んで終わりではなく、どんなサービス業で働くときにも応用できるようなスキルを学ぶことができるのもITHBの良さだと思います。
先生方がテーマパーク以外の業界での経験も豊富にあるため「テーマパーク科に入ったものの、他の業界や業種も気になる」という方にもおすすめできる学科です。また、先生と生徒の距離が近く、何でも気軽に相談に乗ってくださるのもありがたいです。
(国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校テーマパーク科 Aさん)
テーマパーク業界を目指す人へのアドバイス
もし何かで困っている人がいたら、どんな些細なことでも自分から手を差し伸べられるように、日頃から準備をしてみてください。それと、どんな状況でもほかの人から何かを学ぶという精神で日々行動することで、お客さんを笑顔にすることができる、楽しませることができるようになると思います。
最後に、テーマパーク業界で働きたいと思っている方。ぜひ国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校に入って、一緒にテーマパーク業界のことを学びましょう!
テーマパーク科の実習先には東京ドームシティやキッザニア東京、志摩スペイン村、日光江戸村などがあり、全国各地の有名テーマパークで現場の最前線を学ぶことができます。先輩や先生方も優しくアットホームな方ばかりなので、勉強以外でも充実した学校生活が送れると思います。
(国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校テーマパーク科 Tさん)
テーマパーク業界に入りたいなら国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校で学ぼう
本記事では、テーマパーク業界の現状や今後の展望、テーマパーク業界で働くために必要なことになどについて紹介しました。テーマパーク業界は自分の好きなものの中で働くことができ、人を笑顔にできる、楽しませることができるというやりがいのある仕事です。
国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校(ITHB)のテーマパーク科は、専門学校ならではの少人数授業で、就職活動やその後の実務に役立つスキルを身につけるためのサポートを手厚くしてくれます。世界的に有名なテーマパークや大型テーマパークで働いた経験のあるプロの先生が、テーマパーク業界のことから一般的なサービス業のことまで丁寧に教えてくれます。国内の有名テーマパークでインターンシップを受ける機会もあり、想像以上に濃密なキャンパスライフを過ごせるでしょう。
将来の進路を考える上で、実際の仕事に触れてみることはその職業への理解を深める大切な機会となります。ITHBでは年間を通して毎月オープンキャンパスを開催中!体験授業や見学会など、より実践的でキャンパスライフの雰囲気を味わえるカリキュラムをご用意しています。
ITHBのオープンキャンパスや体験授業について少しでも気になった方は、ぜひ参加してみてください!