ウェディングプランナーに将来性はある?プロが見る現状や傾向、ブライダル業界の今後
ブライダル科
ブライダル業界はお客様の人生の幸せな瞬間に携わることができる職業であることから、憧れを抱いている方も多いと思います。そんなブライダル業界の中で、特に人気が高い職種であるのがウェディングプランナーです。
新郎新婦にとって人生最良の日ともいえる結婚式を最高のものにするために、トータルプロデュースや演出を考えるウェディングプランナー。やりがいがあり、魅力あふれる仕事であることは間違いありませんが、人口減少や少子高齢化が進む日本ではその将来性は気になるところ。
今回は、ウェディングプランナーやブライダル業界に詳しい専門家やブライダル業界で働くことを目指している現役の学生に話を聞きながら、ウェディングプランナーの現状や今後について紹介していきます。ブライダル業界やウェディングプランナーに興味がある方や、就職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
ブライダル業界の現状
前述のとおり、日本全体で人口減少や少子高齢化が進んでおり、それに伴い婚姻数も年々減少しています。2022年に内閣府が発表した「結婚と家族をめぐる基礎データ」によると、2020年の婚姻件数は日本全体で約52.6万件となっており、これは最盛期であった1970年の102.9万件の約半分の数字となっています。
こういったデータを見るとブライダル業界の将来を不安に思う方もいるかもしれませんが、結婚式の多様化によりホテル等でもウェディングプランナーに絞った求人募集があり、ブライダル業界全体でのウェディングプランナーの需要や求人はむしろ増えています。「結婚したら結婚式を挙げる時代」から「結婚式は挙げたい人が挙げる時代」へと変化していることもあり、結婚式にかける費用自体も年々上昇しています。
また、新型コロナウイルスの影響もあって一時は婚礼件数も減少しましたが、現在は回復傾向にあり、挙式をする人々も増えてきています。近年ではウェディングプランナーが主人公のテレビドラマが放送されたことなどもあり、学生にとってもあこがれの職業であることは変わりません。
ウェディングプランナーとは
ウェディングプランナーとは新郎新婦の希望や予算をもとに結婚式や披露宴をプロデュースする仕事で、ウェディングプロデューサーやデザイナーなどと呼ばれることもあります。結婚式当日までの新郎新婦との打ち合わせ、会場やスタッフの手配、当日の進行管理やトラブル対応などを幅広く担当する仕事です。仕事も多いため責任も重大ですが、新郎新婦に寄り添いながら結婚式や披露宴の最初から最後まで携わるため、その分得られる達成感も大きいでしょう。
ウェディングプランナーの現状
日本全体の少子高齢化や近年の新型コロナウイルスの影響をブライダル業界全体が受けていることは前述した通りですが、ウェディングプランナーの需要は依然として大きくあります。
近年では結婚式の多様化によって伝統的なスタイルだけではなく、親族だけや親しい友人のみで行う少人数の式や友人などをたくさん呼んでリゾート地などで行うリゾートウェディング、予算を抑えながら記念になる写真だけを残すフォトウェディングなど、さまざまなニーズがあります。
そういった多様なニーズや細かな要望を形にするプロフェッショナルとしてウェディングプランナーが頼りにされているのです。
ウェディングプランナーの将来性は?
今後は日本社会全体でより一層少子高齢化が加速していくと見られている中で、ウェディングプランナーという職業に将来性があるのか不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいうと、ウェディングプランナーに将来性はあります。ただし、今後はよりウェディングプランナー個人のプランニング能力やプロデュース能力が問われていくようになるでしょう。
前述した通り、結婚式が多様化したことにより様々なニーズが増えています。それらにしっかりと応えられ、新郎新婦が考える理想の結婚式づくりを形にしていくことが今後のウェディングプランナーに求められていくことになるでしょう。また、「結婚式は挙げたい人だけが挙げる時代」に変わってきていることもあり、細かな部分にこだわりたいというカップルが増え、新郎新婦が結婚式にかける費用というのは年々上昇しています。そのため、大手結婚式場や大手ホテルでは1組に対して1名のウェディングプランナーという体制から、1組に対して2名のウェディングプランナーという体制をとる企業が主流になってきています。
こういったことを考慮しても、今後もウェディングプランナーの需要は続いていくと考えられます。
ウェディングプランナーの仕事の傾向
ウェディングプランナーの需要が続くことは分かりましたが、今後の傾向はどのようになっていくのでしょうか。
求められる柔軟性
さまざまなスタイルやニーズが細分化していっている結婚式をプロデュースするには、柔軟性を身につけることが必要です。新郎新婦が何を求めているのかをしっかりと理解しつつ、その結婚式を形にするためには何が必要なのかを見極める。世間で流行していることを把握しておくことはもちろん、ニッチな情報にまでアンテナを張り巡らせておき、どんな要望があっても臨機応変に対応できる柔軟性が武器になるでしょう。
重宝される英語力・外国語力
少子高齢化の影響もあり、2010年をピークに減少傾向にある日本の人口ですが、それに対して日本の外国人の人口は増加傾向にあります。総務省が2020年に行った国勢調査によると、2020年の日本における外国人の人口は270万人を超えており、今後もこの傾向は加速していくと見られています。
外国人の方の中には日本語を得意としていない方もたくさんいるので、そういったときに重宝されるのが語学力の高いウェディングプランナーです。世界共通言語である英語はもちろん、日本と近い中国・韓国などのアジア諸国の言葉を理解できれば、それだけでも需要は数多くあります。今後ウェディングプランナーを目指す方は、語学力を高めることに注力するのも一つの手かもしれません。
経験や人柄が武器に
前述のとおり、今後はどんどんウェディングプランナーに求められる仕事が細分化していくと見られています。そうなった時に武器になるのが「経験」です。さまざまな形の結婚式を経験していれば、それが新たな顧客へのアピールポイントになりますし、新郎新婦にとっては「この人に任せれば安心できる」という強みにもなります。
また、ウェディングプランナーという職業は社内で各部署とのやり取りをすることはもちろん、新郎新婦に寄り添って仕事を進めていきます。そういったときにチームワークや協調性を大切にして仕事ができるか、周りと円滑にコミュニケーションを取ることができるかなど、人柄の部分も重視されます。そういった人間性の部分も磨いていくと、それもまた大きな強みになるでしょう。
ブライダル業界を知る人にインタビュー
ブライダル業界やウェディングプランナーの現状、そして今後の展望を知るためには実際にその業界にいる人に話を聞くのが一番です。今回は元ウェディングプランナーで現在は国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校で講師をしている先生や現役の学生などに話を聞き、ウェディングプランナーのやりがいや魅力、将来についてなどの「リアル」に迫っていきます。
ウェディングプランナーのやりがいとは
ウェディングプランナーのやりがいは「人の記憶に残る仕事ができること」です。新郎新婦にとって結婚は人生のおいての節目であり、その大切な節目を結婚式という形でお手伝いができる。これは何にも代えがたいやりがいだと思います。
もちろん、絶対に失敗できない緊張感があったり、無茶な要望をいただいたりと大変なこともありますが、結婚式当日の新郎新婦の笑顔を見た瞬間、全てが達成感に変わります。
また、仕事自体や職場が華やかなことも働くモチベーションとなり、ウェディングプランナーを長く続けられた理由の一つでした。
結婚式というイベント自体が華やかなのはもちろん、私の場合はお台場という非日常的な場所が職場だったので、様々なイベントや季節ごとの景観も感じることができ、日々の通勤もワクワク楽しさを感じていました。
ブライダル科 上原 紗弓 先生(元ヒルトン東京お台場 ウェディングプランナー)
(Hilton Sales Summit ウェディングプランナー部門1位受賞)
私はまだ学生なのでウェディングプランナーではないですが、現在は学校のインターンシッププログラムにより、現役のウェディングプランナーのアシスタントとして働かせていただいています。プロのウェディングプランナーのすぐそばで実習をする中で、一生に一度の節目に携わることができ、新郎新婦さまと感動を分かち合えることが一番のやりがいだと感じています。
実際にインターンシップでブライダル業界で働いたことで、より将来のことをリアルに感じることができましたし、大手ゲストハウスのウェディングプランナーになることが今後の目標です。
ブライダル科 ウエディングプランナーコース Kさん
ウェディングプランナーの将来についてどう感じているか
少子化や新型コロナウイルス感染症など、ウェディングプランナーだけではなくブライダル業界全体が迎えている課題は様々ありますが、将来性はあると思っています。
ひと昔前ですと、結婚式は冠婚葬祭の1つとして、「結婚したら結婚式を挙げる」が常識の時代でしたが、今の時代は「結婚式は挙げたい人だけが挙げる時代」へ価値観が変わり、結婚式を挙げないカップルも増えています。言葉だけだとネガティブな要素に捉えられてしまうと思いますが、実はこの時代の変化が結婚式にかける費用に変化をもたらしており、結婚式にかける平均費用は年々上昇しています。これはつまり、挙げたい人だけが挙げることによりこだわりが強くなっている意味もあると思っています。
以前は1組に対して1人のウェディングプランナーが担当する体制でしたが、今の時代はお客さまの細かいこだわりや要望に応えるため、大手結婚式場や有名ホテルを中心に1組に対して2人以上のウェディングプランナーが担当する体制(分業制)が主流になっています。AIが普及してきている中で、ウェディングプランナーは「人間」にしかできない価値を見出せている職業なので、間違いなく将来性はあると思います。
ブライダル科 学科長 塚本綾先生
(元フリーランスウェディングプランナー 過去に500組以上の挙式を担当)
現在は学校のインターンシップで働かせていただき、ホテルのバンケットサービスを担当しています。当日の結婚式に携わる中で、何一つ同じ結婚式がないことがとても魅力に感じます。また、披露宴の最後に担当されたウェディングプランナーへ感謝のお手紙を読まれるカップルもいるなど、人と人との結びつきが強く、人にしかできない仕事なんだなと実感しています。
ウェディングプランナーを目指して進学する前は将来に不安もありましたが、実際にブライダル業界の最前線で学ぶなかで不安はなくなり、今は将来への期待でいっぱいです。卒業後は有名なホテルでウェディングプランナーとして働くことが目標です。
ブライダル科 ウエディングプランナーコース Oさん
ウェディングプランナーに魅力を感じたら、ぜひ国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校(ITHB)へ!
今回はウェディングプランナーの現状や今後、将来性などについてご紹介していきました。少子高齢化や結婚式を挙げないカップルが増えている中で、ウェディングプランナーの仕事は多様化しており、今後の需要も根強く続いていくでしょう。
本記事でご紹介したように、国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校(ITHB)には元ウェディングプランナーやブライダル業界の最前線で働いていた先生方からたくさんのことを学べるブライダル科があります。
資格取得のための授業がたくさんあったり、人気企業と連携したインターンシップや本物の結婚式をプロデュースする体験学習がなども充実しています。有名式場や、東京ディズニーリゾート・オフィシャルホテルで活躍している卒業生もおり、ブライダル業界に進みたい方にとっては最適な環境の一つだといえます。
オープンキャンパスのほか、ウェディングドレスが試着できる特別なイベントを実施することもありますので、タイミングが合いましたらぜひ一度ご来校ください。私たちと一緒に、ブライダル業界の未来を盛り上げていきませんか?