旅行客や貨物などを日々国内外に送り届けているエアライン業界。空港や航空機を利用したとき、さまざまな職種のスタッフがきびきびと連携している様子を見て「自分もあんな風に働いてみたい」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

エアライン業界といえば、航空機内での保安業務と機内サービス業務をおこなう客室乗務員（キャビンアテンダント）という職業が有名ですが、もう一つ忘れてはいけないのがグランドスタッフという職種です。グランドスタッフは、航空機を利用するすべての旅行客の「空の旅」をサポートする重要な役割を担っています。

本記事では、そんなグランドスタッフの仕事内容や求められるスキル、さらにはキャリアパスについても詳しく解説していきます。実際にエアライン業界でグランドスタッフとして働いていたプロのインタビューなども盛り込まれていますので、グランドスタッフとして働きたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

 

グランドスタッフとは

グランドスタッフとは、空港内で地上業務を担当する職員のことを指します。チェックインカウンターや搭乗ゲート、荷物のハンドリングなど、多岐にわたる業務を通じて、航空機の運航がスムーズに進行するようサポートしています。

グランドスタッフの仕事内容

グランドスタッフの仕事内容は、大きく分けて4つあります。

• 搭乗手続きや搭乗手続きや荷物のチェックイン対応
• ゲートでの搭乗案内や遅延対応
• 到着便の対応
• VIPやビジネス客への特別対応

グランドスタッフは、フライトの安全と快適な旅を保証するために欠かせない存在です。それぞれの役割や業務について見ていきましょう。

 

チェックインカウンター業務

グランドスタッフの大きな仕事の一つとして、チェックインカウンター業務があります。チェックインは航空機を利用するお客さまの旅の始まりであり、ここがスムーズに進まなければ、旅全体に影響を及ぼす可能性もあります。チェックインカウンターではお客さまの搭乗手続きや荷物のチェックインなどを滞りなく行い、最高の旅の始まりとなるようサポートします。国際線の場合は、パスポートやビザの確認も重要な業務の一部となります。また、座席の指定や特別なリクエスト（車椅子の手配や特別食のリクエストなど）にも対応する必要があるのもチェックインカウンター業務の特徴です。

 

出発案内・搭乗ゲート業務

グランドスタッフの仕事の中には出発ロビーでの案内もあります。自動チェックイン機の操作方法の説明やチェックイン時間ギリギリに到着したお客さまの案内、誘導なども大切な仕事の1つです。

搭乗ゲートでは、出発準備の最後のステップとしてグランドスタッフがお客さまを航空機へと案内します。搭乗券の確認や搭乗順序の案内、ゲートの閉鎖時間の管理など、多くのタスクが含まれます。時にはお客さまの乗り遅れや体調不良など、不測の事態にも対応することが必要になります。さらに、フライトの遅延や欠航時には迅速な情報提供と代替手段の手配を行うことが求められます。

 

到着便の対応業務

航空機が到着した際にもグランドスタッフには業務があります。航空機が到着するまではゲートで待ち、到着したお客さまの乗り継ぎ便の案内や援助が必要なお客さまのサポートなどをおこないます。手荷物の返却時も、万が一お客さまの荷物が紛失してしまったり、破損してしまったりしていた時などには対応することが求められます。

 

VIP・ビジネス客の対応業務

VIPやビジネス客からは特別なサービスを求められることもあるため、丁寧かつ迅速な対応が求められます。専用ラウンジでの案内や、特別なリクエストへの対応を行うこともグランドスタッフにとっては日常的な業務となります。

 

グランドスタッフとキャビンアテンダントとの違い

ここまで紹介してきたように、グランドスタッフとキャビンアテンダントの業務は大きく異なります。グランドスタッフは地上での業務がメインであるのに対し、キャビンアテンダントはお客さまとともに航空機に搭乗し、空の上でのサービスが主な業務となります。業務内容は違いますが、グランドスタッフもキャビンアテンダントもお客さまの快適な旅をサポートする大切な役割であることは変わりません。それぞれが手を取り合って、日々の業務に励んでいます。

グランドスタッフの一日の流れ

グランドスタッフの仕事は、基本的には空港の開港時間に合わせて始まります。早朝の便の対応から夜間のラストフライトまで、シフト制で働くことが一般的です。ある日のグランドスタッフの一日のスケジュール例を見てみましょう。

• 5:00 AM 出社、朝礼とブリーフィング
• 6:00 AM チェックインカウンター業務開始
• 8:00 AM 空港ロビーで出発案内業務開始
• 9:00 AM 休憩
• 10:00 AM 荷物のトラブル対応
• 0:30 PM 1日の振り返り、ミーティング
• 1:00 PM 退社

こちらのスケジュールはあくまでグランドスタッフの一日の流れのイメージですが、空港の開港に合わせて出勤する人は午後1時ころには退社というスケジュールになります。逆に、夜間のラストフライトに対応するスタッフは出勤が午後や夕方ごろからというパターンになります。

グランドスタッフになるために

日々世界中を旅するお客さまを支える大切な役割を担うグランドスタッフの業務。グランドスタッフになるためには特別な資格は不要ですが、エアライン業界の専門学校や大学で学ぶことが職に就くために有利になります。特に英語力や他の外国語のスキルを求められる場合が多いため、学生のうちに語学力を強化しておくとよいでしょう。

企業や勤め先の空港によっても採用プロセスは異なりますが、一般的には企業への履歴書の提出や筆記試験、面接などが採用試験として課されます。面接では、グランドスタッフとして働くために重要なコミュニケーション能力や問題解決能力が重視される傾向にあります。

 

グランドスタッフに求められるスキル

グランドスタッフになるためのステップが分かったところで、次にグランドスタッフに求められるスキルや能力について紹介します。

 

コミュニケーション能力

グランドスタッフとしての業務に欠かせないのが、なんといってもコミュニケーション能力です。グランドスタッフは毎日世界中の国から来たお客さまの対応をおこないます。お客さまと直接やり取りをするため、明瞭で丁寧なコミュニケーションスキルが求められます。特にトラブルが発生した場合は状況を冷静に聞き取ったり、お客さまに丁寧に説明したり、シチュエーションに応じて適切に対応する力が必要です。

 

語学力

空港では世界中からくるお客さまの対応をするため、さまざまな国の言語に対応する必要があります。特に、英語は世界の共通言語であり、ある程度のレベルに達していないとグランドスタッフの業務は務まりません。エアライン業界では役割によって求められる英語力も異なりますが、一般的にグランドスタッフはTOEIC550点程度のスコア獲得が必須となっています。また、国際空港では英語はもちろんのこと、他の外国語のスキルもあると有利に働きます。多文化環境での対応力を高めるために、語学力を磨くことが大切です。

 

チームワークと協調性

グランドスタッフの仕事は、チームワークと協調性も非常に重要です。空港内では多くの部署と連携しながら業務を進めていくため、常にチームとして働く意識が大切です。特にフライトの時間変更のような不測の事態が起こった時には、他部署と迅速に連携し、適切かつ迅速に対応することが求められます。普段から他部署ともコミュニケーションを取り、チームワークを高めておくことが大切な環境です。

 

問題解決能力・対応力

多くの人が利用し、多くの航空機が飛び交う空港内では、常に予定通りに仕事が進んでいくことは少ないでしょう。突発的なトラブルも起こる環境であり、そういった場面でも適切に対応することが求められます。不測の事態が起きた時に、まずは何をすればよいのか、解決策にはどういうものがあるかを適切に判断し、冷静に問題を解決する力が求められます。

 

 

グランドスタッフのキャリア

グランドスタッフとしてのキャリアを積んでいくと、シニアスタッフやスーパーバイザー、マネージャーなどへの昇進へとつながっていきます。昇進した後には社内の別部署に異動になるケースもあったり、航空会社によっては、海外に支店を持つような企業もあり、グランドスタッフとして働いていても海外の空港で勤務できるチャンスもあります。

また、グランドスタッフとして積んだ経験は他の職種にも生かすことができます。コミュニケーション能力や対応能力、状況判断力などが評価されれば、ホスピタリティ業界や観光業界などでもそのスキルを生かすことができるでしょう。

グランドスタッフ経験者インタビュー

ここではグランドスタッフについて気になる事項について、実際にグランドスタッフとして働いた経験を持つ方に教えていただきます。エアライン業界に多くの人材を輩出している国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校の先生のインタビューをお届けしますので、グランドスタッフとして働きたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

 

グランドスタッフのやりがい

国内外から集まるたくさんのお客さまに出会うことができ、生活に必要な交通インフラに携わることができるのがグランドスタッフとして働くことの魅力です。エアライン業界の中においても空港や飛行機に関わる職種はいろいろあります。働く人たちも「英語を使った仕事がしたい」や「人々の生活を支えたい」など、いろいろな思いを持って働いていることも特徴の１つです。グランドスタッフも含めて、多くの人たちが協力して、一機の飛行機を離着陸させる仕事。そこには大きなやりがいを感じることができると思います。

 

 

グランドスタッフとして働く魅力

“空の玄関口”である空港の顔として仕事をし、日本、さらには世界中の人たちと繋がることができるのが魅力です。憧れる人も多い華やかな制服に身を包み、日本や世界各地から多くの人が訪れる空港において、一番最初にお客さまをお出迎えする重要な仕事であり、まさに「空港の顔」のような存在です。

人と接することが好きだったり、世界中のお客さまとのコミュニケーションや語学に興味がある方にとっては、天職のような仕事だと思います。また、チームで協力して仕事をする中でスケジュール通りに飛行機が離陸できた時は格別の達成感があります。チームで協力するような作業が好きな方にとっても、やりがいを感じられると思います。

 

 

グランドスタッフを目指す方へのアドバイス

語学やコミュニケーションに興味を持つことが大切です。グランドスタッフは国内線、国際線ともに海外の方と接する機会が多いため、英語などの語学力を身につけておけば、そのスキルで活躍することができる仕事です。また、お客さまだけではなく、多くの職種とのコミュニケーションが必要な仕事でもあるため、コミュニケーション能力も大切です。まずは、こういったことに興味を持つことから初めていくとよいでしょう。興味がいずれ憧れになり、憧れが夢に繋がります。そして、その夢を叶える場所として、私たちのような専門学校が存在します。まずは自分自身としっかり向き合い、グランドスタッフへの興味を広げていってください。

グランドスタッフを目指す方は国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校へ！

本記事では、グランドスタッフの仕事内容や求められるスキル、キャリアパスなどについて紹介していきました。

グランドスタッフは、空港での「顔」としてお客さまの旅を支える重要な役割を担っています。その仕事内容は多岐にわたりますが、やりがいや達成感も大きい職業です。コミュニケーション能力や語学力、問題解決能力など、多くのスキルが求められますが、それだけ成長できる環境であり、将来のキャリアアップの可能性も広がっていきます。

本記事を監修した国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校（ITHB）にはエアライン科があり、グランドスタッフやエアライン業界への就職を目指すのに最適な環境が整っています。グランドスタッフを目指す方向けのエアポートコースでは、実際の現場と同じ環境での実技演習の授業やANAで働くスタッフからの授業が受けられるなど、エアライン業界の最前線を学ぶことができます。

また、英語や中国語など外国語を学ぶ授業やグランドスタッフになるために欠かせないマナーやコミュニケーション能力を身に着けるためのカリキュラムも充実しており、就職活動のための面接も百戦錬磨の先生たちが親身になって指導してくれます。エアライン業界で働くために勉強に励んでいる学生たちも、ITHBで充実の日々を過ごしています。

 

【ITHB在校生のコメント】

“小さい時から飛行機が大好きで、カッコイイ制服を着て働くグランドスタッフに憧れるようになりました。ITHBでエアライン業界のリアルを知り、より働くのが楽しみになりました！”

 

 

“千葉にあるという立地の良さから成田と羽田の両大手空港のリアルが学べることに魅力を感じ、ITHBに入学しました。また、高校時代は英語が苦手だったため、自分のレベルやペースにあった授業ができる少人数制授業もうれしかったです。TOEICのスコアは250点以上アップし、充実した学校生活を送ることができています。第一志望だった企業にも内定をいただくことができました！”

 

 

その他のエアライン業界で働くITHBの卒業生インタビューはこちら

 

グランドスタッフを目指す方は、ぜひ本記事を参考に、エアライン業界で働く自分自身の姿を想像してみてください。ITHBでは年間を学校説明会やオープンキャンパスを開催しています。優しい先輩たちが学校生活のことから専門学校のことまでなんでも相談に乗ってくれますので、気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね！