観光業界やホテル業界の現状と今後は?あるランキングでは日本が世界1位に!
観光科
国際ホテル科
2022年現在でも長引いている、新型コロナウイルス問題。皆さんのなかにも、楽しみにしていた旅行やイベントが残念ながら中止になってしまうなどの経験をした方がいらっしゃるかもしれませんね。コロナは経済的にも観光業界やホテル業界に大きな打撃を与えましたが、これらの業界で働きたいと考えている方にとって、将来性は問題ないのでしょうか。
目次
コロナによる観光業界やホテル業界への影響は? インバウンド需要はこれから回復する?
2020年以降、コロナ感染拡大防止の観点から、国内外の移動制限が実施されてきたのは記憶に新しいところです。
日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客統計」によると、2019年は約3,188万2千人(前年比2.2%)の訪日外客がおり、これは1964年に統計を取り始めてから最多でした。ところが2020年には約411万6千人(前年比-87.1%)に大幅ダウン。2021年には約245,900人(前年比-94.0%)と、統計史上で最低の数値にまで減っています。
データ出典:日本政府観光局(JNTO)公式サイト
続いて観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2019年の国内の延べ宿泊者数は約5億9,592万人泊(前年比+10.8%)。それが2020年には約3億3,165万人泊(前年比-44.3%)と激減し、2021年には約3億1,777万人泊(前年比-4.2%)と推移しています。こうして数字で示すと、コロナの影響力が改めておわかりいただけるでしょう。
データ出典:観光庁公式サイト
しかしご存知のように、世間はアフターコロナを見据えています。2022年10月には政府が「全国旅行支援」を始めたほか、外国人の新規入国制限(水際対策)も見直されました。2022年10月の訪日外客(推計)は約49万8,600人にまで回復し、1か月間だけで、もはや2021年トータルの訪日外客数を超えているのです。
データ出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」2022年10月推計値
もちろんコロナ前の水準にはまだまだ遠いですが、国内旅行者(宿泊者)やインバウンド需要はこれから伸びていくと期待されます。その割に観光業界やホテル業界は人手不足が叫ばれており、せっかく需要が戻っても、受け入れ態勢が不充分だという企業は少なくありません。一流のおもてなしを身につけた即戦力となる人材が、今まで以上に求められるのではないでしょうか。
観光魅力度ランキングで日本が高いのはなぜ? 世界的に見ると当たり前ではないことも?
ところで、2022年5月、あるランキングで日本が世界117か国中の1位に輝きました。それはスイスの国際機関である世界経済フォーラム(WEF)が発表した「旅行・観光開発指数2021」で、いわゆる観光魅力度を表したものです。
順位 | 国名 | スコア(前年度比) | 前回順位 |
1 | 日本 | 5.2(+0.7%) | 2 |
2 | アメリカ | 5.2(-1.0%) | 1 |
3 | スペイン | 5.2(±0.0%) | 5 |
4 | フランス | 5.1(-0.2%) | 6 |
5 | ドイツ | 5.1(-1.8%) | 4 |
6 | スイス | 5.0(-2.1%) | 7 |
7 | オーストラリア | 5.0(-1.3%) | 8 |
8 | イギリス | 5.0(-4.5%) | 3 |
9 | シンガポール | 5.0(-1.4%) | 9 |
10 | イタリア | 4.9(+0.8%) | 12 |
データ出典:World Economic Forum「The Travel & Tourism Development Index 2021」
日本が1位を獲得したのは2007年に調査が始まって以来、初の快挙。112に分かれた指標のうち、日本が高く評価されたのは、主に次のようなポイントです。
●鉄道サービスの正確さ:1位
●公共交通機関の本数:1位
●殺人の発生率の低さ:2位
●モバイル端末の普及率:2位
●航空サービスの値段:3位
●大型競技場の数:3位
●無形文化遺産の数:4位
●文化・娯楽観光に関する検索の数:4位
●アクセスのよさ:5位
●世界文化遺産の数:9位
日本で暮らしているとすっかり慣れてしまっているかもしれませんが、「鉄道サービスの正確さ」や「公共交通機関の本数」の順位からわかるように、実は日本の交通インフラは世界最高水準にあります。近年では、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックに向け、道路標識の改善(多言語表記や設置数増加など)が進められました。
また、「殺人の発生率の低さ」は日本の治安のよさを、「無形文化遺産の数」や「世界文化遺産の数」は日本の文化資源の豊富さを表しています。皆さんも、便利かつ安全に旅行でき、観光の選択肢も多様に用意されている日本のことを誇りに思ってよいでしょう。
観光業界やホテル業界を目指している方は、自分自身が窓口となり、日本の素晴らしさをもっとアピールしていこうという気概をもてるとよさそうです。何度でも利用したくなるサービスを提供し、日本の観光魅力度をさらに高めていってください。
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